中ノ江遺跡は、梯川の支流である八丁川右岸に位置する弥生時代から中世の集落遺跡です。
今回の調査では、弥生時代中期の土坑をはじめとして、弥生時代後期から古墳時代前期頃の建物跡や井戸、奈良・平安時代の川跡などを確認しました。弥生時代中期の土坑からは、緑色凝灰岩の原石や剝片、石鋸が出土しており、集落内で玉作りが行われていたとみられます。掘立柱建物の柱穴には、柱の下に礎板が敷かれているものもみられました。軟弱地盤でも柱が沈まないようにする、人々の知恵と工夫がうかがわれます。平地式建物は、周溝の配置から、ほぼ同じ場所に複数回にわたって建て替えられている可能性が考えられます。井戸は、素掘りのものや井戸枠に丸木舟を再利用したものなどが確認され、井戸内からは廃棄された土器や木製品が出土しました。
今回の調査により、新幹線調査区の東側の区域に広がる、弥生時代中期・後期から古墳時代前期にかけての人々の営みの一端が垣間見られました。次年度以降も調査は継続します。今後の調査により、本遺跡の様相が一層明らかになるものと期待されます。
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遺跡名 | 能美市中ノ江遺跡 |
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時代 | 弥生~中世 |